家飲みで梅割り、カシラのいためもの
2011-04-18


禺画像]
飲み食いに関して、ぼくは徹底した合理主義者だ。例えば、うまい酒は李朝の逸品の磁器で飲もうが、シビンで飲もうが同じだと思う。魚なら、築地の高級料亭で食べるより、漁船の上で取れ立てのものをさばいて食べるほうがうまいだろうと思う。器や雰囲気といったものを無視するわけではないが、何よりも実質を尊重する。

 だから、ぼくは家飲みを飲食の基本とする。外飲みは、家庭では味わえない料理でなければ注文する気にならない。立原正秋先生も随筆で書かれていたが、湯豆腐や冷ややっこなどわざわざ飲食店で注文する人の気が知れない。そんなもの、家で食べればよいではないか。

 様々な紆余曲折を経て、ぼくは結局、家庭外で食べるべきは牛豚のモツ焼きであると悟るに至った。いや本当は、家庭でも十分においしいモツ焼きを食せるはずだが、大方の人はその日にシメた牛豚の内臓肉など手に入ろうはずもない。理論的には、自分で牛豚を飼ってシメればよいのだが、現代日本の大抵の家庭では内臓肉以外のガラや枝肉を持て余すであろう。従って、これらは基本的に外の飲食店で味わうべきなのである。

 しかし、全くチャンスがないわけではない。やり方によっては、家庭でも十分においしいモツ料理を味わえる。今日は家飲みで、モツ料理と梅割りを堪能した。モツはあらかじめ味付けがなされたカシラの半加工品をコープで買い、ネギと一緒にいためた=写真。飲み物は、スーパーで買った宝焼酎25度に、天羽(てんば)の梅エキスを差して「宇ち多゛」と全く同じ梅割りを再現してみた。

 ちなみに天羽の梅は、立石の美濃屋脇坂商店(東京都葛飾区立石8-1-14)の店頭で売られているほか、ネット通販でも簡単に手に入る。
●丸石酒店
[URL]
●寿屋
[URL]

 この日の夕食、さすがに「宇ち多゛」には及ばないが、下手なチェーン店の心のこもっていないモツ焼きよりは、はるかにおいしい一品を、梅割りと共に心ゆくまで堪能した次第である。
[家飲み]

コメント(全0件)


記事を書く
powered by ASAHIネット